ヴェネツィアでの孤独

イタリアでコロナウィルス の感染が拡大している。


2月24日から、大学は休みになった。

3月8日から、ヴェネツィアは封鎖になった。

3月15日、37回目のわたしの誕生日だった。


ヴェネツィアのアパートに、一人で住んでいる。

ヴェネツィア、島、隔離、ワンルーム、独身・・・

つまり、たいへん孤独である。


9月からイタリアの大学で日本語の授業を担当している。

大学が閉まってからは、Zoomなどを使って、授業をしている。


日本語の会話の授業。


パソコンの画面に、何人かの学生がうつる。


彼らが、いろいろなことを話しだす。


「イタリアの医者や看護師など、本当にがんばっていると思う」

そうか。わたし、そのことを、あまりよく考えてこなかった。


「イタリアでは小麦粉が、先に売れます。なくなります。小麦粉があれば、パンもパスタもつくれますから・・・」

さすがだな。わたしは、小麦粉からお好み焼きしかつくれない。


「でも、なぜ、日本でトイレットペーパーが売り切れますか笑?」

確かに、滑稽なことだな。


「コンテ首相は人気になりました。とくに、若い人の間で。」

そうなんだ!


「先生も、コンテ首相をかっこいいと思いますか?」

おうっ、そうだな、うん、はい、はい思います。コンテをかっこいいと思っていた自分に気づく。


パソコンの向こう側から、みんなの生活が少しだけ見える。それで、なんとか、わたしはイタリアの社会とつながっていられる気がしている。


(にしだ)


イタリアの自由な会話たち

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