慈善を込めたイースターエッグ

皆さま、こんにちは!イタリアは復活祭の連休に入りましたが、ロックダウンの影響でどこもひっそりとしていて、普通家族や親類と過ごしている復活祭の雰囲気はなくなっているのです。キリスト教の信者かどうかにかかわらず、イタリア人にとって、復活祭の時期は家族が集まっていろいろ話したりゲームで遊んだりバーベキューもしたりしながら、仲が悪くなってしまった人と改めて仲直りができるいい機会なのですが、いうまでもなく、今年の復活祭の時期はコロナウィルスが感染して家族か親友に死なれた人には、家にこもってとても悲しい現実となっています。

欧米の国々のように、イタリアでも復活祭になるとイースターエッグを子供にあげる習慣を受け継いできて、イースターエッグは生命の誕生という意味を持って、復活祭の欠かせないところなのです。この緊急事態で働けなくなった人が多く不景気が続いていて、残念ながら今年子供たちにイースターエッグをあげずに復活祭を祝う家庭は少なくないと考えられます。ところが、希望が絶えたわけではなく、今回紹介したいのは、イタリアのチョコレートを中心とする菓子類の大中小の食品工業会社が復活祭の間こそ行っている慈善活動です。

ウンブリア州の「ペルジーナ」のエンメネガール・ブルーノ執行役は、「弊社はイタリア人の皆さんの近くにいて、ご支援申し上げます。感染予防戦略により、人と人の距離が遠くなり、残念ながら多くの人々に貧困ももたらしてきます。」と言いました。それで、ペルジーナは9万個のチョコレートイースターエッグを「Fondazione Banco Alimentare」という特定非営利活動団体に寄付して困っている家庭に贈ると明らかにしました。それに対して、「Fondazione Banco Alimentare」のジョヴァンニ・ブルーノ団長は、「ネスレ・ペルジーナにご支援いただきありがとうございます。私たちが経験している緊急事態は、日常生活圏域ニーズに応えようとするだけではなく、近付いている “祝日”に、喜びと正常さの小さなしかし重要な兆候を共有できるようにする努力をさらに緊急にします。」と公言しました。

続いては、ピエモンテ州にある「フェレロ」と「カファレル」も州民がいい祝日を過ごせるように努力を発揮しました。特にフェレロのアルバに位置する工場からの180キンタルのイースターエッグを、それぞれのイタリア市民保護局のボランティア、ピエモンテ州の各病院の衛生および準衛生スタッフに配りました。トリノのカファレル(チョコレート専門店)はイースターエッグのみならず、復活祭のときに食べられているコロンバパスクアーレも、ピエモンテ州のケアハウスの介護士や高齢者に施す予定だそうです。

3月にかけてイタリアで感染者が最多であったベルガモ市は、カラブリア州の「ドルチャリア・アレッサンドリア」という製菓会社から1600個のチョコレートイースターエッグをもらいました。自治体のボランティアは、ベルガモ市の里親家族、母親や子供や青年のためのコミュニティセンター、刑務所、そして「Fondazione Banco Alimentare」にイースターエッグを配布すると企画しました。

今度の復活際は本当にお祝していいのかどうかを皆さまご自分に考えさせるところにしておきます。とはいえ、困っている人々を支援している上記の四つの会社に限らずほかには多数あり、大したものではないイースターエッグでも贈るのは、何人かの人に今年よい復活祭を過ごせる喜びになるかもしれません。

(ウィリアム)

1コメント

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  • にしだ

    2020.04.16 18:17

    イタリアの会社について、あまり知る機会がないんです。だから、すごくおもしろかった。